Optima Safety and Security Platformの概要
車載用電子デバイスの検証は、今日のあらゆる半導体検証プロセスの中で最も厳しいものです。
安全への配慮から車載アプリケーションに使用される集積回路（IC）は、ISO 26262自動車安全規格に規定されている厳しい安全規格を満たす必要があります。アプリケーションに応じて、デバイスは規格内のAからDまでの特定の「自動車安全度水準：Automotive Safety Integrity Levels」（ASIL）に準拠しなければなりません。ASIL-Dが最も安全なデバイスです。ASIL-Dを取得するためには、まず、デバイスの要件を「システマティック」フローを用いて極めて高い網羅性、または品質レベルで検証する必要があります。第二に、デバイスは、環境の影響により通常動作中に発生する可能性のある「ランダム」故障がデバイス機能を破壊しないことを示す解析も実施されなければなりません。
ランダム検証では、デザインにフォルトを注入します。これは、通常の機能が破壊される可能性が極めて低いことを実証するために行われます。過渡故障（ソフト・エラー）、スタック・アット・フォルト（ハード・エラー）など、考慮すべき故障の種類は複数存在します。フォルトは、その危険性やその他の要因によって分類され、フォルトが発生する可能性のある個所がデザインのどの部分なのかも重要です（例えば、メモリとロジック・フリップフロップなど）。これらの異なるフォルト・タイプに対しては、様々な検証アプローチが必要になります。さらに、これらのアプローチでは一般的に、故障の影響を解析するメカニズムとしてフォルト・シミュレーションが行われます。
従来のフォルト・シミュレーションは、自動車安全解析の性能要求を満たすには、非常に不十分であることが証明されています。もともと半導体製造テスト解析のニーズを満たすために開発されたフォルト・シミュレータは、30年前の技術が使用されていることが多く、異なる目的のために設計されています。Optimaは、この問題を解決するためにOptima Safety and Security Platform製品を新規開発しました。
Optima Safety and Security Platform (OSSP)は、異なる故障解析を行うために4製品から構成されています。これらは、Optimaの中核技術であるフォルト・インジェクション・エンジン（FIE™）によって駆動されます。とりわけOSPは、解析性能を桁違いに向上させ新しい解析機能を実現することで、ISO 26262規格への準拠を従来の数倍の速さで実証できるようになりました。一方、検証プロセスも簡素化され、デバイスの品質も向上させることが可能です。
OptimaのFIEは、故障解析に対して従来のフォルト・シミュレータとは異なるアプローチを採用しており、関連するランタイム・オーバーヘッドを伴わずに、まったく同じデータを提供します。ベンチマークでは、このソリューションが、最も近い競合製品よりも何桁も速く、非常に大規模な故障シミュレーションを短時間で完了することが証明されています。これにより、ランダム検証プロセス全体をダイナミックに変えることができます。その結果、開発スケジュールを数ヶ月短縮することが可能です。
Optima Safety and Security Platformは、FIEを使用して、特定のシナリオをターゲットとする一連のソリューション（アプリ）を駆動します。
Optima-SA™. 静的解析を自動化することで、危険の可能性がある箇所を特定し、解析が必要となる可能性のあるデバイスの不具合を明確に理解することができます。
Optima-HE™：ハードエラー（または永久故障）解析が劇的に高速化され、大規模なデバイスの完全な解析を数ヶ月ではなく数日で実行できるようになります。達成されたカバレッジは、OptimaのCoverageMaximizer™テクノロジーによって自動的に改善され、複雑な問題を特定して解決策を提供します。
Optima-SE™：ソフトエラー（または過渡故障）解析が合理的な時間で完了します。このアプリケーションは、高性能のFIEを使用してデザインのフリップフロップを強制的に「ハード化」します。FIEを使用することで、変更するコンポーネントの数を最小限に抑えながらソフトエラーに対する耐性を最大化し、デバイスの消費電力とシリコン面積を最小限に抑えることができます。
Optima-SEC™：Optima-SECはICセキュリティ検証をターゲットとしています。フォルト・インジェクション・サイドチャネル攻撃に対して、Optima-SECは超高速FIE技術を用いて数百万回のフォルト・インジェクション攻撃をシミュレーションすることにより、セキュリティ・メカニズムを検証します。より詳細な情報については、info@optima-da.com までお問い合わせください。
Optimaは、世界中の数多くの大手半導体企業と提携しており、世界中に包括的なサポートネットワークを構築しています。大手メーカはOptimaのソリューションを活用することで、デバイスを完全に安全でセキュアなものにしています。当社の製品は自動車用半導体の大手企業で採用されており、業界全体で急速に受け入れられています。
Optima Safety and Security PlatformのOptima製品は、ISO 26262 ASIL-D機能安全検証のためのTUV Nord認証、およびSGS-TÜV SaarのASIL D READY機能安全認証を取得しています。
